2016年11月12日土曜日

5年間の精神的ストレスが原因で関節リウマチ

30代の女性が四肢の関節腫脹と痛みで大学病院で関節リウマチと診断され、漢方治療を希望して漢方内科外来に来院した。 詳しく話を聞いてみると、この方は5年前に保険会社で苦情係に配属され、毎日毎日電話で顧客からの苦情を聞き続けてきた。 時には感情的な顧客に怒鳴られたり、攻撃的な言辞などを受け続けてきたため、強い精神的苦痛で不眠症になった。伝統医学的診断でもストレスによる五臓の病態が確認された。 この診断に基づいてストレス性の病態に効果のある漢方処方を作成した。 服用後2ヶ月で四肢の関節の腫れや痛みは消失した。 半年ほど漢方治療を続行したが症状の再発はなく、炎症のマーカーも正常になったので治療を終了した。 関節リウマチは発病後早期に漢方治療を開始した場合は大多数が治癒することを経験する。

抗うつ薬の副作用で統合失調症になった? 精神科医の誤診療!

中年の女性が統合失調症と言うことで漢方治療の為に来院した。 症状は下痢・軟便、被害妄想、不安、不眠、リビドー亢進などであった。 精神科からはリスパダールとソラナックスが処方されていた。病気の経過を聞いたところ、20才の頃に神経症、恐怖症、うつ病などといわれて抗鬱剤や精神安定剤などが処方されていたが、数年後に被害妄想が出現したため統合失調症と診断されリスパダール等の薬物治療が開始された。 <a href="http://okabesystemsmed.com" target="_blank">中国伝統医学による治療を開始したところ、被害妄想や不眠症、リピドー亢進などの多彩な精神神経症状が軽快した。</a> ところがこの間、リスパダールを服用する度に妄想が増悪することに気づいた。 この方はおそらく20才頃から10年間投与されていたSSRIなど抗鬱剤による精神神経の副作用で被害妄想が引き起こされたのであろう。実際、SSRIの副作用としてせん妄,錯乱,幻覚,妄想,けいれんなどが報告されている。更に10年後には精神科医に統合失調症と誤診されてこんどは被害妄想を抑制するためにリスパダールが処方された。 ところが、リスパダールの副作用には妄想、うつ病、幻覚、抑うつ症状、躁病、被害妄想、精神症状、睡眠障害、緊張、自殺企図、錯乱状態、リビドー亢進、徘徊などが報告されている。 不眠、不安、リビドー亢進などの精神神経症状はリスパダールの副作用であったと思われる。 <span style="color:rgb(255,0,0);">この方は抗鬱剤や精神安定剤など精神科の薬によって人為的に統合失調症にされてしまったのであろう。</span>このようなケースは少なくないであろう。 精神科の診療は患者の主観的な訴えに基づく、症状を抑える対症療法でしかない。 骨折やけがの痛みに鎮痛剤を投与しているようなものである。骨折やけがを治しているのではない。不眠症に睡眠薬を処方しているだけで、不眠の原因を治しているのではない。しかも、うつ病や統合失調症は血液検査などでは異常はなく、脳のCTやMRIでも異常はない。例えば、<a href="https://www.amazon.co.jp/病気を治せない医者-現代医学の正体に迫る-光文社新書-岡部-哲郎/dp/4334038409/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1478952447&sr=1-1" target="_blank">うつ病の生物学的原因は不明である。血液検査や生化学検査、ホルモンの検査や脳波や脳のCT,MRI検査では異常ないことを確認してはじめて心の病気である(うつ病)と診断する前提ができる。 検査で異常なしが前提条件である。それではじめて心の病気と診断するわけだが、生物学的診断基準が存在しないのでうつ病の診断はあくまで状態像診断となる。状態像すなわち、抑鬱気分、関心や喜びの喪失、意欲がない、焦燥感などの状態像がそのまま診断になる。したがって実際はうつ病ではなく神経症の場合でも精神科や心療内科で気分がうつであると訴えればほとんど全員に抗うつ剤が即座に処方される。</a> 客観的な診断の根拠は無いのである。精神科医の診断は患者の訴える症状から推理することになる。 患者の表現力や性格、感情の強弱などは個々人で千差万別である。 また、診断する側の精神科医もその性格、感受性、理解力などが医師によって異なる。 したがって、精神病の診断は非常に難しく、誤診が起こりやすい。 人間の心は簡単には診断できないと云う事である。

2016年11月11日金曜日

抗うつ薬SSRI/SNRIの副作用:攻撃性と他害行為

中国伝統医学によるうつ病の治療を行ってきたが、治療のための抗うつ薬の副作用による精神異常が多々認められる。うつ病の治療と同時に抗鬱剤の副作用の治療に難渋する。 最新の抗鬱剤であるSSRI(パキシル ルボックス デプロメール レクサプロ ジェイゾロフト)やSNRIは神経伝達物質の1つであるセロトニンの伝達を促進し、脳の神経細胞を活発に働かせる作用があり、いわば脳を興奮状態にします。脳細胞を活性化させるとうつ状態が改善されますが、アクセルを踏みすぎれば脳が暴走するという副作用が起こる可能性があります。そのため次のような激しい副作用が生じると指摘されています。SSRIの添付文書には、以下のように記載されている。不安、焦燥、興奮、パニック発作、 不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等が現れることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来たした症例において、基礎疾患の悪化または自殺念慮、自殺企図、殺人念慮、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うことが必要だ。 また、SSRIなどの各種の抗うつ剤服用者が起こした殺人事件で「アクチベーション症候群の疑いあり」という見解が出されており、重大な社会問題になっている。1998年にはアメリカの高校で銃乱射事件がありました。銃を乱射した高校生はルボックスを服用していたそうで、この事件をきっかけにアメリカ、カナダにおいてルボックスが一時販売停止になった。日本でも似たような殺人事件が起こっており,その原因はパキシルを筆頭とするSSRIである可能性が示唆されている。厚生労働省は医薬品等安全対策部会において,国内におけるSSRI/SNRIに関連する副作用報告を精査した(「医薬品・医療機器等安全性情報No.258(平成21年6月)」参照) 。 其の結果、解析対象症例の男性患者110例中23例が他害行為あり 、殺人等の傷害の症例であり,例えば,刃物で切る, 家族・他患者に対する暴力行為といった経過 情報が記載された症例であった。 36例が他害行為あり 殺意等の傷害につながる可能性のある症例であり,例えば、暴言を吐く, カッとしやすくなると いった経過情報が記載された症例であった。