2017年7月2日日曜日

東京人は大学病院の信者!科学一神教徒?病気を治せない

2015年に「病気を治せない医者」という新書を出版した。 この本の概略は、西洋医学の治療は対症療法なので薬を飲んでもほとんどの病気は治せない。 しかも副作用に悩まされる。 それに対して中国伝統医学の治療法は原因療法なので、西洋医学で治療法がない難病でも治療効果を発揮することが多々ある。西洋医学の診断と中国伝統医学の治療法を融合した新たな治療クリニックを開設して3年になる。 遺伝性脊髄小脳変性症や多発性硬化症、悪性関節リウマチ(Still病)、難治性てんかん、緑内障など西洋医学では治療法が無い進行性の難病に対して中薬の煎じによる治療は大多数の症例に効果を発揮した。 北は北海道から南は関西、中国、四国、九州から多くの難病の患者さんが来院して治療を受けた。 ところが、最近、気がついたたのだが、東京都内からの来院は数えるほど少ないことに驚いた。なぜなのであろうか、考えてみると、東京の住人は大学病院や専門医療機関が近所に多数あるので、大学病院や専門医療機関で行われている西洋医学が唯一の医学であると信じ切っているためであろうと思われる。 大学病院の行う西洋医学の治療が唯一の治療法で他に治療法があるとは考えられない程、西洋化学文明(科学一神教)に洗脳されているとしか思えない。 西洋医学で”治療法がないです”と言われればそれを信じて諦めてしまうのであろう。 実は、外科手術や放射線治療は別として、近代科学による薬では抗生物質などを除いては、ほとんどの病気を治せないのが医学の実態なのである。「病気を治せない医者」で述べたのと同じように病気を治せない東京人というこであろうか?            

九州人の関節リウマチと北海道のリウマチは治療法が真逆です。東京人のリウマチは?

最近、九州から治療抵抗性の難治性のリウマチのかたが相次いで来院した。最新の中国伝統医学ではリウマチなどの膠原病はその原因となっている病態は多彩であり16種類もの病態に分類されている。個々人で原因が異なっているため、その原因に対する治療処方もまた各人で異なったものとなる 以前、数名の北海道在住の方の関節リウマチを中国伝統医学で治療した。その原因は血流減少による冷えや代謝低下による冷えや浮腫などであった。治療処方は温めて浮腫を取り除き、血流を増加させることで治療できた。 しかし、九州からのリウマチの場合身体や血液の熱がその原因であった。 温める処方は返って症状を悪化させるばかりである。 身体を冷やして血液の熱を取り除くことで劇的な改善が見られた。
東京人のリウマチはどうであろうか? 当方の経験では東京人の膠原病やリウマチの90%は熱によるもので、冷えによるリウマチは非常に少ないことが分かった。 住む地域の気候風土により同じ病気でもその原因は異なる。従って治療法も異なる。中国でも寒い北京と南の上海では同じリウマチでも原因も治療法も異なる。 中国伝統医学では各人の病気の原因を正確に診断して、その診断の基づいて治療処方を作成する。 西洋医学では同じ病名であっても、個々人で治療法は異なる。 これを間違えると治療が有効でないばかりか病気が悪化する。

黄斑前膜の漢方生薬による治療法

眼科の教科書には黄斑前膜について以下のように書かれています。黄斑前膜とは眼球の網膜の前に膜が張って黄斑がそれに遮られて見えにくくなってし
まう病気です。 網膜が厚くなって収縮すると網膜に皺をつくります。初期は無症状ですが次第に、なんとなく見づらい、ピントが合わない、などの症状が出始め、進行すると歪みを感じるようになります。膜は徐々に厚くなり網膜にシワを作ります。 そうなると歪みが強くなり、最終的には視力が0.1- 0.2まで低下します。膜を薬で取ることはできません。手術によって膜を剥ぎ取ります。大部分の方で視力が改善しますが、その程度は病状によって大きく異なります。歪みの感覚も軽くなりますが、完全に無くなる訳ではありません。また、手術後に悪化する例もある。 最近、黄斑前膜で物がゆがんで見えるという中年の男性が目の手術はしたくない、漢方で治療して欲しいと来院した。 中国伝統医学の教科書にはこのような病気の記載は無いが、物が曲がって見えるという病態がある。 この病態に対しては4種類の原因があり、それぞれ治療法が異なる。 この方の病態を鑑別診断して、そのうちの一つの治療法を適用したところ1ヶ月後の物のゆがみが改善してきた。

アメリカ人の緑内障と日本人の緑内障;原因も治療法も異なる!

5月に東京大学で緑内障の治療法の開発について講演したが、アメリカ人の緑内障は80%が眼圧が21mmHg以上の高眼圧緑内障で眼圧を下げる手術で治療している。しかるに、日本人の緑内障は眼圧が低い正常眼圧緑内障であり(80%)、 眼圧を下げる手術は有効ではない。正常眼圧緑内障は日本人に特に多く緑内障の約80%を占める。一方、米国では正常眼圧緑内障は約20%であり、80%は眼圧が21mmHg以上の高眼圧緑内障である。 そのため米国では緑内障の治療法は手術で眼圧を下げることである。一方、日本人の正常眼圧緑内障は眼球や高眼圧と言うよりも視神経の病気であり、その原因は視神経の脆弱性であると考えられている。視神経の脆弱性を治療すれば進行を止められる。正常眼圧緑内障(眼圧が10~20mmHg)は眼圧が原因ではないので、眼科手術で眼圧を下げても治らない言うことになる。ところが、眼科に通院すると眼圧が正常であっても更に眼圧を下げるべく手術を奨められる。日本の眼科医が正常眼圧緑内障に対し更に眼圧を下げる手術を行おうとする根拠は以下の論文による。米国での多施設共同研究の結果では無治療時眼圧から30% 以上の眼圧下降を得られた群と無治療群では視野障害進行に有意の差があり, 眼圧下降が有効であることが報告されている。また,無治療時の眼圧が正常平均15mmH以下の例に対する眼圧下降の有効性については十分な検討がされていない.  実は、米国のこの研究では最高眼圧が21mmHg以上の緑内障も含まれており、日本人の正常眼圧緑内障と同じ患者が対象ではない。日本人の正常眼圧緑内障の平均眼圧は最高眼圧で16.6~16.7mmHg, 最低眼圧が11.5~11.6mmHgである。したがって、日本人より高い眼圧レベルで試験された眼圧下降療法の有効性を日本人の正常眼圧緑内障治療に適用することは議論の余地がある。にもかかわらず、眼科医は眼圧を下げないと悪化するからと手術を強くすすめる。 また、この米国での実験では十分な眼圧下降を行っても20%の症例で視野障害が進行し、無治療の症例でも約40%の症例に視野障害が進行しなかった。このことから、米国のこの論文では正常眼圧緑内障の原因には眼圧以外の危険因子の存在に言及している。更に言えば、米国の正常眼圧緑内障は60才以上の高齢者に多いことが分かっている。また、偏頭痛の人に多く、血流が悪いことが関係しているとも言われている。日本人の正常眼圧緑内障とは年齢分布が異なる。これらの知見から、米国における緑内障は手術によって眼圧を下げれば治るが、日本人のように、眼圧が正常の緑内障では手術によって眼圧をさげても緑内障には効果が無いことがわかる。眼科医が米国での高眼圧緑内障に対する眼圧降下療法の結果に基づいて、低眼圧の日本人患者に手術などの治療を強行してよいのであろうか? 実際には、正常な眼圧をさらに下げても緑内障が治るわけではない。ある中年の女性は眼圧が正常以下の8mmHgであるのに緑内障の視野狭窄が年々、急速に進行して免許の更新が出来なくなるのを心配して来院した。 また、筆者の外来には緑内障専門の眼科医が自身が緑内障を患い、中国伝統医学による治療を求めて通院している。眼科医も本当は正常眼圧緑内障は手術などで眼圧を更に下げても緑内障を改善することは出来ないのを知っている。正常眼圧緑内障の原因は眼圧ではない。  この度我々が新しく開発した中国伝統医学による緑内障治療法は個々人の緑内障の病態に合わせたオーダーメイドの処方を用いることにより、数ヶ月の治療でほぼ全例に視野の改善が認められた。