2016年9月17日土曜日

乳児の先天性緑内障を治す

先天的緑内障(早発型発達緑内障)は、前房隅角に生まれつきの形成異常があるために、前房水を静脈へ排水する機能が低下し眼圧が上昇する。早発型発達緑内障は、薬物治療の効果が低いため、早急に手術を行う必要がある。一般に、線維柱帯切開術、もしくは隅角切開術という手術を行う。  最近、前房形成不全による先天性緑内障と診断された生後7ヶ月の乳児が漢方内科に来院した。病名のように緑色の眼をした元気な男の子である。 眼科の薬物治療にもかかわらず眼圧は40mmHg(正常平均は15mmHg)まで上昇したため手術をする必要があった。 言葉を話せない乳児の伝統医学診断は非常に難しい。 時間をかけて詳細に診察した結果この赤ちゃんの伝統医学的病態診断を確定した。この診断に基づいて23種類の動植物薬を組み合わせた複雑な煎じ薬を作成した。 此の治療が成功するための最大の課題はこの赤ちゃんが苦い煎じ薬を飲んでくれるかどうかであった。  一ヶ月後、父親に抱かれて診察室にはいってきた赤ちゃんはにこにこ顔であった。 なんと此の子は苦い煎じ薬を一ヶ月間苦もなく飲んでしまった。一ヶ月間の煎じ薬の治療で眼圧は20mmHgまで低下していた。  此れに意を強くし更に2種類の眼圧降下作用のある生薬を処方に追加した。 この煎じ薬も此の赤ちゃんは苦もなく一ヶ月間で飲み終えてしまった。 にこにこして再診に現れた赤ちゃんの一ヶ月後の眼圧は16mmHgまで低下した。 父親に抱かれた赤ちゃんは帰り際にはバイバイと手を振って診察室を去っていった。これで此の赤ちゃんは眼科の手術を回避することができた。 
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