2016年10月9日日曜日

関節リウマチと間質性肺炎の漢方生薬に治療法

10年ほど前に某医科大学の呼吸器科で特発性間質性肺炎と診断された50代の女性が来院した。 特発性間質性肺炎は原因不明の難病で治療法はない。肺が硬くなって呼吸ができなくなる病気で、歌手の美空ひばりさんがこの病気が原因で亡くなっている。2〜3種類の漢方処方を組み合わせて治療したところ、肺組織破壊のマーカーが徐徐に低下してきたが正常値にはならない。ところが、2年前に手足の関節痛が出現し、精密検査の結果、関節リウマチと診断された。厳密な伝統医学的診断に基づいて抗リウマチ作用のある生薬を含む約20種類の煎じ薬を処方したところ関節痛は消失し、炎症反応も正常になり、しかも肺組織破壊のマーカーも正常値以下になった。現在も生薬治療を続けているが、関節痛もなく、炎症反応も正常化したままで、リウマチ反応も正常値以下となった。 肺組織破壊のマーカーも正常値以下のままである。 あと、数ヶ月様子を見て悪化しない場合は治癒したと考えて生薬治療も終了する予定である。 この方の間質性肺炎は関節リウマチによるものであり原因不明の特発性間質性肺炎ではなっかたのである。 このように、肺病変が関節リウマチに先行して発症する場合も少なからず存在する。 関節リウマチの漢方薬による治療成績は良好であり、約80%の奏功率との報告もある。 しかし、漢方治療が有効であるといっても、いわゆる漢方薬のooo湯で関節リウマチが治るということではない。ある人は漢方医のところで、oo湯とoo丸を処方されたが効果がはっきりしないと言ってきたが、理由は個々人で異なるシステム異常に対応した生薬を組み合わせたカスタムメイドの処法を作成することで初めて有効な治療になると言うことであり、既成の漢方方剤では効果は期待できない。実際、伝統医学のシステム理論と生薬の高度な知識が無ければ、診断もできないし、有効な治療する生薬の処方を作成するすることもできない。

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