2016年10月30日日曜日

うつ病は漢方薬で完治する!(Successful treatment for depression)

一昨年の秋に50代の婦人がうつ病と診断された。朝は憂鬱で起きれない、不安で悲しくて気分が落ち込み行動の抑制がある。 典型的なうつ病であった。伝統医学的診断では五臓六腑の中でも心、胃腸、神経の機能障害が認められた。 この病態に対して17種類の生薬を組み合わせた処方を作成した。此の処方を服用して一ヶ月で朝の憂鬱、不安、悲哀感などほとんどの症状が消失した。更に2ヶ月ほど同じ処方を継続したところほかの症状も改善したためうつ病は治癒したとして漢方治療は終了とした。この方は心療内科や精神科にかからずに最初から漢方治療を受けた。西洋医学の抗鬱剤や精神安定剤や抗不安剤などは服用していなかったので漢方療法で早期に治癒できた。実は数年前に此の人と対照的な二人の30代の男女がうつ病の治療を求めて漢方外来に来院した。二人とも5年以上の長期間、精神科や心療内科で抗鬱剤、精神安定剤、抗不安剤、睡眠薬などを5〜6種類も処方されていた。しかし、治療を続けても薬の量が増える一方で、一向にうつ病は治らないため社会復帰ができない。此の二人の伝統医学的診断は病理学的に正反対の病態であった。したがって、治療生薬の内容も真逆の作用の処方であった。診断に基づいて25〜30種類の生薬を配合した処方を作成した。此の二人の治療は効果が現れるまで5〜6ヶ月かかったが一番苦労したのは精神科の薬をやめる事であった。 漢方処方が効いてくると早朝に頭痛が起きるようになる。此の頭痛は実は抗鬱剤の副作用であった。抗鬱剤をやめると頭痛は無くなった。また、安定剤や睡眠薬をやめるのが最も難しい。 睡眠薬の量を90%、80% 70%と数か月間かかって一ヶ月に10%ずつ減量してゆく必要があった。 一気に減量するとその夜は一睡も出来なくなる。 これは麻薬の禁断症状のようなものである。精神科の薬を減量してやめるのに更に一年近くかかってしまったが、その後は漢方薬も含めてすべての薬を止めたが再発しないので、治療は終了した。今は、二人とも社会復帰している。このように伝統医学では、うつ病は精神や心の病気ではなく五臓六腑の病気であり対応する漢方薬で治癒することが可能である。ただし、発病早期に漢方治療することができれば早く治るが、抗鬱剤や精神安定剤で長期間治療した後では漢方治療が奏功するまでに長期間かかってしまう。しかし、漢方治療が有効であるといっても、いわゆる漢方薬のooo湯でうつ病が治るということではない。ある人は漢方医のところで、oo湯とoo丸を処方されたが効果がはっきりしないと言ってきたが、理由は個々人で異なるシステム異常に対応した生薬を組み合わせたカスタムメイドの処法を作成することで初めて有効な治療になると言うことであり、既成の漢方方剤では効果は期待できない。実際、伝統医学のシステム理論と生薬の高度な知識が無ければ、診断もできないし、有効な治療する生薬の処方を作成するすることもできない。 

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